CEO メッセージ

パートナー企業の20代離職率10%減を達成した女性社長が語る20代への教育投資の重要性

最高経営責任者 CEO 石堂里佳

「20代のメンターと投資」への貢献が自分のやるべきテーマ

「石堂さんは法律分野でのキャリアを捨てて、20代のメンターをテーマにした事業の経営に乗り出したのはなぜですか?」とよく聞かれます。その答えは、私にとって「20代へのメンターと投資」への貢献が自分のやるべきテーマだからです。世界のどの企業でも、あまり重要視されず聞いたことのないテーマです。OVER20はこれまでに1,000名以上の20代にメンターを提供しています。そもそも私は、この9年間、企業で働く20代に対しても大きな不満がありましたし、「組織のあり方」自体も間違っていると思っていました。まるで希望を抱いて入社した20代は、自己表現の一つをすることもなく組織の歯車と化し、貴重なキャリアの最初の10年間を下積み世代として浪費させられるからです。

 

 20代は、脳が最後の成長を迎え、体力と健康が保証され、失敗の数だけ成長し、経験値からではない社会に染まっていないアイデアを出せる最後の年代です。これらは健康寿命が長くなったからといって、30代が昔の20代とおなじということでは決してありません。織田信長は25歳で尾張を統一しましたが、現代の20代も彼と同じようにやり抜く力、アイデア、体力や気力を持っているはずです。ところがこの20年間、日本の組織は戦後の組織体系と人材を中心として、これからの人材戦略のあり方がどうなっていくかについてボリュームのあるミドル・シニアにしか関心を持たず、20代が持つ可能性や能力を抑圧し続けてきたのです。

 私たちの会社は20代の可能性を証明し、発信していくことが使命です。ところが、日本の企業で若手の成長を適切に支援できる人財は減少の一途をたどっています。20年から様々なトップ企業の有志(20代〜50代)に「リーディングフロムビハインド(EQ型マネジメント)」の教育を行なっているのも、下火の様な日本の競争力を引っ張り上げ、世界で活躍する若い人材を育てたいという想いからです。

 世界はAIやIoTの進化で最新テクノロジー産業が隆盛を見せています。それなのに、最新情勢に一番近い感覚を持ち、理解と学びが深い20代を生かせる企業が、この国から消え去りつつあるのです。毎年OVER20では数百人の20代にデプスインタビューを実施しますが、そのうち自分のアイデアや知識、価値観が活かされていないと感じる人は4人に3人。OVER20ではデータバンクを作り、20代のアイデアやインサイトを記録していますが、本来は所属企業に還元されるべき情報です。

 

 例えば、国内でDX化が遅れている理由として、「IT化が進めば食べられなくなる人が出てくるから、わざと単純業務を残している」という声を聞きます。果たしてこの主張は20代や若者たちの時間や可能性、落胆させるような事象になっていないでしょうか。例えば社内でこのような事象は多々おきます。

 若者が1分で終わるオンラインMTGの設定が、50代には30分かかる。しかも、今の日本の組織構造では20代の多くは「マネジメントされる」側だから、彼らからやり方を教えて欲しいと言われる。これって20代の時間や生産性の無駄遣いではないでしょうか。時代に合わせた仕組みができない組織では、若い人であればあるほど、無駄な時間や「その人ではなくてもできる仕事」をする時間が増え、経験や可能性を開く瞬間は閉ざされてしまうのです。結局20代は、入社の時点で転職ありきの世代なので文句をいうことなく日々日常をこなして、ある日優秀な人材からやめていくのです。

世界の変化を受け止め、その変化に対応できる人たちを中心に組織文化や制度を作り人々を育てていくことが大切だと考えます。

 

 OVER20 は「2027年までに国内のシルバー男性民主主義の企業ではなくダイバーシティを進めるリーディングカンパニー100社とパートナーシップを組み、日本のジェンダーギャップ解消に貢献し、20代の可能性が解き放たれる環境を創造する」ことを宣言しています。先日、ある学生から「OVER20の事業は日本では受け入れる企業は少ないと思うのですが、世界にはいかないのですか?」と聞かれたので、「欧州や東南アジアの新興国の企業とも5年以内にパートナーを組むことになるだろう」と答えました。それが具体的にいつになるかいまは言えませんが、OVER20は「誰もが」生き生きと輝く世界を目指しているので、私たちの事業戦略にとって国境は大きな問題ではないということです。

今いる社員を見捨てない

 OVER20は、人材戦略の従来の流れを一変させる新たな一手として、10年以上に渡って20代に特化したメンタリング経験をキャリアにもつプロフェッショナルメンターを当社のメンタリング責任者として迎え、1970年代からアメリカ企業で採用されて発達したメンタリングノウハウをベースにしながら、日本型にリプロデュースし独自のメンターメソッド「MENTOR WORKOUT」の構築に成功しました。

 これまでのコーチングを主体とした人材開発戦略から、イノベーションを生み出す人材育成を主軸とした人材創発戦略の視点に切り替え、その具体策として「MENTOR WORKOUT」のメンタリングノウハウを活かした当社サービスの導入をぜひご検討いただきたく考えています。

 今いる社員を決して見捨てない。攻めの人材に意識変革するチャンスがあることを、多くの企業に知っていただきたいと願っています。

石堂里佳