石堂里佳

パートナー企業の20代離職率10%減を達成した女性社長が語る20代への教育投資の重要性

石堂 里佳
最高経営責任者(CEO)

なぜ、24歳から同世代の自律教育をし続けているのか

 2017年4月、私は母が立ち上げたキャリアコンサルタント事業を持つオフィス石堂(現・OVER20&Company.)のプロデューサーに就任し、会社の経営に加わりました。翌年に法人事業を開始するため「石堂株式会社」に法人成りして代表経営者となり、20年7月にそれまで母と二人三脚でやってきた事業に、当時日本の企業内教育のあり方に疑問を抱いていた糸井(現COO・一橋大卒)が経営メンバーに加わりました。そして私たちは、世界に大きく羽ばたく20代の空母となるべく21年3月に「株式会社OVER20&Company.」と名称変更し、将来、20代から真のダイバーシティを実現し誰もが生き生きと輝く世界の実現を目指し、事業拡大を続けています。そして企業としては、Googleやmetaを超えて世界で輝く20代が一番出入りする企業となることを掲げています。

 もちろん日本発の一ベンチャー企業が20代の改革を始めたところで、20代の価値が世界的に再定義され、20代の影響力が高まるまでには時間がかかるでしょう。しかし、OVER20のパートナー企業の20代社員や直接当社から教育を受けた20代が企業や社会で活躍することで「20代の価値はすごい、彼らの芽を潰さず大切に育てる」という認識が自ずと高まっていくと確信しています。

 日本の20代の「低モチベーション・低定着率・低賃金」が続いている大きな理由は、シルバー男性民主主義にあると考えます。「シニアより安い賃金で雇えるし、体力もある。たくさん働いて会社に貢献してほしい」と考えるのでしょう。しかし大切なのは、20代が組織の歯車の一つとして単純労働させるような会社は5年後に淘汰されるということです。入社して数年で辞めてしまう20代社員の増加が問題になっていますが、「離職=社員が会社を見限った」です(もちろん会社や個人双方にとってポジティブな離職も少なからず存在します)。これからはスタートアップの台頭や個人の生き方が多様化し、20代が入社を拒否する企業がさらに増加するでしょう。

 OVER20の事業は「20代至上主義」ではありません。事業の目的は、これまで社会に育てられず潰されてきた20代のエンパワーメントであり、不要だと多くが切り捨てられてきた彼らが持つインサイト(可能性)を顕在化し社会に還元することです。一人一人の可能性と発信力を高めることで、日本のシルバー男性民主主義時代を打ち砕き、次世代が未来に希望を持てる社会を創造することが使命です。